10人で使用するオフィスは、面積によって様々なレイアウト方法が考えられます。本記事では、10人で使用する場合において快適に業務を行うために、レイアウトを作る際に注意すべきポイントや実際の事例なども交えながら解説します。10人で使用する場合のレイアウトについて悩まれている方は、ぜひ最後までご覧ください。
10人用オフィスの最適な広さは?
オフィスの面積は、人数に応じて最低限の広さが決められています。厚生労働省『事務所衛生基準規則』では1人あたりの最適な容積は、水廻りなどを除いて10立法メートル以上確保することが規定されています。天井高さを2.5mとすると、1人あたり4㎡以上必要となります。
しかし、これはあくまで最低限の面積のため、快適に業務を行う上では1人あたり10㎡程度、10名で使用する場合100㎡以上を目安として物件を探すと良いでしょう。
10人用の快適なオフィスを作る7つのポイント
オフィスの広さ | 一人当たりの面積 | 備考 |
15坪(50㎡程度) | 5㎡/人 | 執務エリアのみ |
30坪(100㎡程度) | 10㎡/人 | 個室の設置可能 |
10人用のオフィスは、6畳~10畳程度の空間をレイアウトする場合とは検討する項目が少し異なります。ここでは、10人で快適に過ごせるオフィスを作るポイントを7つ紹介します。
ポイント1:執務エリアのプランニング
執務エリアのプランニングは、10人用オフィスのレイアウト作りにおいて重要となります。小規模なオフィスにおいて、最も面積を占めるスペースが執務エリアとなります。執務エリアのデスクレイアウト計画を綿密に行うことが、快適なレイアウトを作るポイントです。デスクレイアウトは様々な配置方法があり、
- 対向式
- 背面式
- 同向式
- 左右対向式
といったレイアウトから、室内の形状や面積、業務内容によって選定を行いましょう。
ポイント2:会議室や応接室の検討
面積にもよりますが、会議室や応接室を設置するかどうかも検討が必要です。面積に余裕がある場合は、それぞれ設置することが望ましいですが、スペースに余裕がない場合は、1部屋を兼用して使用する場合もあります。スペースの関係で、そもそも会議室などの別室を作ることが難しい場合は、間仕切りを設けずに打合せスペースを執務エリアの一角に設置することも可能です。
ポイント3:打合せスペースや休憩スペースの検討
面積に余裕がある場合は、会議室や応接室とは別に打合せスペースや休憩スペースを設置することで、より快適に業務を行うことができます。設置場所は、執務エリアの一角がおすすめで、オープンスペースとして誰でも気軽に利用できるようにすると良いでしょう。
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ポイント4:無駄のない動線設計
レイアウトの設計において、動線設計が重要となります。特に、10名以上の従業員が勤務するオフィスでは、無駄のない動線設計を行わないと使いづらくなってしまう可能性もあります。方法としては、従業員が移動する動線をイメージしながら、移動距離をなるべく少なくすることを意識して設計を行います。
ポイント5:適切な間仕切り設計
間仕切設置の可否は、面積や予算に応じて決める必要があります。小規模な空間に間仕切りを設置すると、空間が狭くなるため圧迫感を感じられる場合があります。そのため、間仕切りを設置しないか、ガラスパーテーションなどを採用して空間を広く見せる工夫が必要です。
ポイント6:レイアウトに合った照明計画
レイアウトを検討する上で、軽視されがちなのが照明設備です。照明設備の位置を考慮せずにレイアウト変更を行うと、運用開始後に「手元が暗い」「パソコンの画面に光が反射して見づらい」といった問題が発生する可能性があります。そのため、照明設備の移設を行わないのであれば、既存の照明位置を考慮したレイアウトにすると良いでしょう。
ポイント7:無駄のない配線計画
照明設備と同様に忘れがちなのがコンセントの配置です。コンセントは、デスクの近くや複合機の近くなどに必要です。特に、デスク回りのコンセントは、10人分必要なため無駄のない配線計画を行うことが重要となります。
オフィス什器の選び方
レイアウトを行う上で、什器の選定も重要となります。デスクや椅子、収納などオフィスにおいて什器の占めるスペースは大きく、快適なレイアウトを実現するためには、計画的な什器選定が必要です。ここでは、什器の選び方を3つ紹介します。
配置に合わせたデスクと椅子
オフィスデスクと椅子は、デスクの配置により最適な物を選びましょう。基本的に面積に余裕がある場合は片袖机を設置することが一般的です。しかし、スペースが狭かったり、執務エリアの余裕がなかったりする場合は、カウンター式のデスクやフリーアドレスデスクを使用すると良いでしょう。
オフィスに合った収納
オフィスには、収納スペースが必要となります。書類や共有備品などの置き場所を確保するためにも、スペースや雰囲気に合った収納を準備すると良いでしょう。面積が狭い場合は、天井高さを有効に活用した背の高い収納を設置することで、スペース効率を上げることも可能です。
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快適に過ごせる椅子と机
机と椅子は執務エリアだけでなく、会議室、応接室、休憩エリア、打合せスペースなどにも必要です。会議室や応接室は、面積に合わせた物を選定すると良いでしょう。休憩エリアや打合せスペースについては、スペースに余裕があればファミレス席のようなソファ付きのデスクを設置し、あまり余裕がない場合はカフェテーブルなどを設置することをおすすめします。
10人用オフィスのレイアウトでよくある3つの質問
ここでは、オフィス内装工事を専門とする当社が、10人用のオフィスをレイアウトする上で良くある疑問や質問に回答します。
質問1:5人~8人程度のレイアウトの場合も同じような考え方ですか?
5人~8人程度のレイアウトの場合でも、基本的な考え方は変わりません。異なる点としては、少人数の場合はオフィス面積が小さくなるため、会議室や応接室が不要となるケースがあります。また、現在の人数だけでレイアウトを検討するのではなく将来的な増減も踏まえて検討することをおすすめします。
質問2:小規模オフィスをレイアウトするコツは?
小規模オフィスのレイアウトを行うコツとしては、なるべく間仕切りを無くして開放的な空間にすることです。小規模なエリアに間仕切り壁を設置すると、窮屈で圧迫感を感じてしまう場合があります。どうしても間仕切りが必要な場合は、ローパーテーションやガラスパーテーションの採用、収納棚で部屋を仕切る方法がおすすめです。
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質問3:1人4㎡以下でもレイアウト可能ですか?
1人4㎡以下の場合、厚生労働省『事務所衛生基準規則』による規定よりも小さな面積となるため、窮屈なオフィスになります。仮にレイアウトを行う場合は、固定席を設けないフリーアドレスの運用を行う前提で、小さめのデスクと椅子を設置することをおすすめします。
質問4:レイアウトの検討を依頼できますか?
当社では、レイアウトのご提案も行っております。詳細まで検討されている場合の確認から、丸投げで御依頼される場合まで、すべてご対応させていただきます。
規模別!10人用オフィスのレイアウト事例
10人用オフィスのレイアウト事例を、規模別に作成しました。10人で使用する面積として最小の15坪と、余裕のある30坪の2つの事例を紹介します。
15坪のオフィス
15坪のオフィスは、50㎡ほどのため10人で使用する場合は、スペース効率の良いデスクレイアウトを採用する必要があります。今回は、同向式として通路中央部に複合機などの備品を設置しました。打合せエリアなどもなく自席以外に座る場所がないため、クリエイティブ系の職種など、一人で完結する業務であれば問題なく使用できるでしょう。
30坪のオフィス
30坪オフィスは、100㎡ほどあるため、10人で使用する場合はかなり余裕があります。今回は、エントランス直結の応接室と会議室、休憩エリアなどを設置しました。個室が不要な場合は、執務エリアを広々と使用することも可能です。
10人用オフィスは面積によって適切なレイアウトを検討しましょう
本記事では、10人用オフィスに最適な面積や、快適な空間を作るポイントを紹介しました。10人で使用する場合のレイアウトで気を付けるポイントとしては、基本的なオフィスをレイアウトする場合と同じです。しかし、面積によっては、窮屈にならないようなレイアウトを検討する必要があるため、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。