近年、働き方の多様化などから注目を集めているフリーアドレス。オフィスのレイアウト変更を検討されている方の中には、フリーアドレスの導入をしようか迷っている方も多いのではないでしょうか?今回は、様々な働き方に対応しやすいフリーアドレスのメリットやデメリット、導入のコツを徹底解説していきます。
フリーアドレスとは?
フリーアドレスは自分の座席が固定席でなく、フードコートや図書館のようにどこでも座れる自由席スタイルのオフィスです。スペースの有効活用、働き方の変化などの理由から、広まりつつあるスタイルになっています。
フリーアドレスが増加している理由は?
フリーアドレスが増加しているのは感染症対策など、在宅ワークが増加しているといった働き方の変化が大きな理由です。オフィス内に社員全員の座席を常に用意する必要がなくなったため、自由席スタイルのフリーアドレス導入が広まっています。また、無線LANの導入でどこでも簡単に作業が可能になったのも大きな要因です。
フリーアドレスを導入する5つのメリット
①コミュニケーションが活発になる
フリーアドレスを導入すると、社員同士のコミュニケーションが活発になります。毎日同じ座席で作業しないため、今まであまり話さなかった他部署の人とも席が近くなり、交流の機会が増えるでしょう。コミュニケーションが活発になると社内が明るい雰囲気になる、アイデアが浮かびやすくなるといったメリットがあります。
②スペースを有効活用できる
無駄なスペースを削減できる点もフリーアドレス導入の強みです。在宅ワークが増えると出勤人数が減り、未使用のデスクがうまれます。自由席スタイルのフリーアドレスを導入すると、出勤人数に合わせたデスク数に調節でき、無駄なスペースを削減可能です。余った空間は、会議スペース、休憩スペースといった共用できるスペースへリニューアルできます。
③コストダウンにつながる
フリーアドレスの導入は、オフィスの運用コスト削減にもつながります。座席数を減らすと、今までは3フロア借りていたオフィスを2フロアにまとめ、1フロア退去することが可能です。借りるフロア数を削減することで、家賃を抑えられます。
④仕事にマッチした場所選びができる
仕事にマッチした作業スペースを自分で選べる点も、フリーアドレス導入の大きな魅力です。資料の作成などの1人で集中して作業したい場合には、周囲に人が少ない場所を選べます。反対にチーム内で話し合って進行する必要のあるプロジェクトでは、チームでまとまって1つのテーブルに着席しての作業が可能です。
⑤違う座席で仕事をすると気分転換になる
フリーアドレスによって毎日違う座席で仕事をすると、気分転換になります。固定席のオフィスで仕事をしていると毎日環境に変化がないため、飽きてしまう、作業に集中できないといったケースにつながる可能性があるのです。いつも違う席に座れば、作業スペースの景色が変わる、周囲に違う部署の人がいるなど、飽きが生じるのを防げます。
フリーアドレスの注意すべきデメリットは?
人を捜しにくい
フリーアドレスは座席が固定でないため、人を探しにくいのが難点です。チームメンバーと仕事の進捗について相談したい場合でも、人を探す手間が発生するためストレスを感じる可能性があります。また、社員がどこにいるのかわかりづらいので、出社しているかを把握しにくいです。誰がどこにいるのかわからない状況を防ぐことは、フリーアドレス導入を成功させるために欠かせない条件と言えます。
利用したい座席が使えない
自由席スタイルのオフィスでは、利用したい座席を思うように使えないケースがあります。在宅ワークの導入で出勤人数が減ったからといって極端に座席数を削減すると、作業スペースが足りなかったといった事態も考えられるでしょう。思うように作業スペースを確保できないと仕事がしづらく、ストレスの原因になる可能性が高いです。フリーアドレスを導入する場合は、座席数の減らしすぎに注意が必要です。
仕事道具の持ち運びに手間がかかる
仕事道具の持ち運びに手間がかかる点も、フリーアドレス導入の欠点です。フリーアドレスは自席がないため、道具を持って移動する機会が多くなります。書類を多く扱う業種では、道具を同じ場所に置き続けられない、毎日片付けが必要になるなど、不便に感じることがあるでしょう。使用する道具が多い職種の場合、オフィスのフリーアドレス化は向かないケースがあります。ペーパーレス化を実現できるのかなど、十分な検討が必要です。
フリーアドレスの導入で失敗しないための7つのコツ
導入する前に社員の理解を得る
フリーアドレスの導入には、実際にオフィスを利用する社員の理解が欠かせません。固定席に慣れている社員の中には、自席が存在しないフリーアドレスを快く思わない人もいます。仕事のスタイルによっては複数のモニターを使うなど、道具を移動させるのが大変な場合もあるでしょう。
連絡ツールの導入が必須
社員全員と即座に連絡が取れるツールの導入は、フリーアドレスにおいて必須と言えます。自由席のため誰がどこに座っているか把握できない状況が発生するためです。連絡ツールがあれば、話をしたいときに探している人が見つからない、集まって欲しいときの呼びかけが難しいといった問題を解決できます。
空いた空間にミーティングスペースを取り入れる
フリーアドレスの導入によって空いた空間は、ミーティングスペースとして利用すると有効活用できます。ミーティングスペースは作業スペースとは別に、話し合いをすることを目的としてつくられた空間です。作業スペースと話し合いスペースをわけると、声量に気を使わなくなります。
作業に没頭できる集中ブースを採用
オフィスの空きスペースには、1人で作業に没頭できる集中ブースの採用がおすすめです。集中ブースの多くはデスクを囲うように間仕切りがあるなど、周りからの視線をシャットアウトできる仕様になっています。
フリーアドレスには便利グッズの導入が不可欠
荷物を置けるツールを用意する
フリーアドレスを導入した場合には、荷物を置けるツールが必須です。フリーアドレスは自席がなくなるため、出社時に持ってきたカバンなどの置き場に困ります。鍵つきの個人用ロッカーを配置すると、カバンや貴重品を安心して保管できます。
≫ ロッカー/スチールロッカーの正しい選び方とは?【オフィス向け】
フリーアドレスに合ったデスクを用意する
フリーアドレスでは1人1台のデスクを用意するのではなく、複数人で1台のロングテーブルを利用するのがおすすめです。ロングテーブルをレイアウトすると、空いている席を自由に使える図書館のような空間がつくれ、スペースを有効的に使えます。
≫ オフィスレイアウト5パターン! おしゃれなデスクの並べ方
ペーパーレス化でスマートな仕事スタイルを実現
フリーアドレスで快適に仕事をするには、ペーパーレス化がポイントです。紙は重量が重く散らかりやすいため、座席移動の多いフリーアドレスにマッチしていません。資料は紙媒体で用意するのではなく、PDFなどを使ってペーパーレス化をおこないましょう。ペーパーレス化をおこなうことで、ノートパソコンやタブレット端末のみで仕事ができ、座席移動が簡単です。
≫ スマートオフィスとは?導入におけるメリットやデメリットを解説
配線整理に欠かせないOAフロアの導入
自由席スタイルのオフィスに欠かせないのが、配線整理のしやすいOAフロアです。OAフロアは床を二重床にできるパネル状のアイテムで、床下に配線の収納場所がつくれます。床に敷き詰められたパネルを部分的に外すなど、比較的簡単に配線の取り出しや場所の移動が可能です。OAフロアを使わない場合は、直接建物の躯体床にタイルカーペットを敷きます。配線がうまく隠せない、タイルカーペットを大幅に剥がさないと配線できないなど、フリーアドレスに不向きです。
フリーアドレスのレイアウト事例を紹介
大人数で利用できるロングテーブルや、少人数で打ち合わせができるミーティングスペースなど、複数タイプのインテリアを導入しましょう。複数タイプのデスクがあると、作業にマッチした場所を選べます。ロングテーブルは会社全体で利用するだけでなく、グループで利用範囲を決めて使うことも可能です。デスクの数が減ったら、ミーティングスペースや集中ブースのレイアウトをおこないましょう。貴重品やカバンの置き場として、ロッカーなどのツールも配置します。
フリーアドレスとは?メリットとデメリット、失敗しないための方法、事例を解説【まとめ】
今回はフリーアドレスのメリットとデメリット、失敗しないための方法を紹介してきました。フリーアドレスはオフィス内のコミュニケーションが活発になる、スペースの有効活用ができるなどのメリットがあります。一方で、仕事がしづらくなる業種があるなどの点がデメリットです。導入で失敗しないために、社員とよく相談する、ペーパーレス化をおこなう、便利ツールを利用するなど準備を徹底して、働きやすいオフィスづくりを実現させましょう。