サロンや美容室では、パーテーションを使って席を仕切ることで、半個室のようなプライベート空間が作れます。飛沫感染予防に役立つだけでなく、お客様が安心して寛げる空間になります。今回は、パーテーションでおしゃれな半個室を作る方法を解説します。半個室を作るメリットや、美容室用パーテーションの種類についても詳しくご紹介します。
サロン/美容室用パーテーションで半個室を作る4つのメリット
始めに、パーテーションで半個室を作るとどんなメリットがあるのか解説します。
≫ 半個室とは?メリット・デメリットと注意点【おすすめ業態】
プライベート空間で寛げる
半個室の空間なら、顔や姿が丸見えにならず、プライバシーが確保されてお客様も安心して、くつろげます。サロンや美容室で過ごす時間は、他の人に見られたくないと考えるお客様も多いです。ケープをかけて髪を切ったり、洗ったり、パーマをかけたりという姿は、無防備で恥ずかしさを感じることもあるでしょう。また、スタッフとの会話では、個人的なことを話すこともあります。
サロンの開放感を損なわない
パーテーションを使うと、サロンの開放感を損なわずに間仕切ることができます。壁やドアで囲った個室は、広さがとれないと圧迫感が出てしまいます。特に、ガラスやアクリルパーテーションを使うと、空間をゆるやかに仕切りながらも、光は遮りません。
飛沫感染予防に活用できる
コロナ禍以降、無理のない範囲で、飛沫感染予防への取り組みを続けている美容室も多いです。美容室では、鏡のあるセット面に対して1席を設けており、隣席との距離は近くなりがちです。小さめの店舗では、1席空けて営業するのも難しいでしょう。
サイズや素材のバリエーションが豊富
パーテーションは、サイズや素材のバリエーションが豊富なことも魅力です。1枚のパネルの横幅は、60cm~1m20cm程度です。高さは、座って目線が隠れる1m20cm程度から、立っても見えない1m80cm、ドアも付けられる2m程度まで揃っています。素材は、アルミやスチール、木製、布製などの製品があります。それぞれの特徴をご紹介します。
●アルミパーテーション
軽くて圧迫感がないことが魅力です。アルミはよくフレーム部分に使われる素材で、シャープな印象を持ちます。パネル部分には、クロスやアクリル樹脂などが使われます。
●スチールパーテーション
丈夫さが魅力です。パネルもスチール製の場合、マグネットを取付けでき、便利に活用できます。表面がクロス貼りのタイプや、ホワイトボードとして使えるタイプもあります。また、スチールの薄いフレームに、ポリカーボネートをはめ込んだタイプは、軽やかな印象の定番デザインです。
●木製パーテーション
明るい木目は、ナチュラルなインテリアにマッチします。濃い木目は、アンティーク調やアジアンテイストによく合います。また、3連や4連などでジグザグに置いて使う、折り畳みできるタイプもあります。ルーバー状になっているタイプは、ブラインドのように向こう側が透けて見え、おしゃれで機能的です。
●布製パーテーション
病院や医療施設などで利用されることが多く、透けないことが特徴です。軽量で動かしやすいため、頻繁に置いたり、しまったりする場合に向いています。布製のなかには、伸び縮みするアコーディオンタイプや、模様替えに合わせてクロス部分を交換できたり、汚れたら洗ったりできる製品などもあります。
サロン/美容室用パーテーションにはどんな種類がある?
次に、美容室で使われるパーテーションの種類について解説します。パーテーションには、自立式、可動式(キャスター付き)、突っ張り式、施工型の4つのタイプがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
自立式パーテーション
自立式パーテーションとは、置くだけで使える衝立のことです。安定脚が付いていて、1枚でも自立できます。厚みは3~5cm程度です。費用も安価で、簡単に導入できることがメリットです。組み立ては、安定脚を取付ける程度で、面倒な施工や連結作業は必要ありません。
可動式パーテーション
可動式は、自立式パーテーションの脚にキャスターが取付けられたものです。移動式パーテーションとも呼ばれています。簡単に移動でき、空間をフレキシブルに間仕切れることがメリットです。とくに、ポリカーボネートやアクリル樹脂を使った製品は、軽さや採光性が魅力です。また、3連や4連の折りたたみタイプもあり、W型やL型にレイアウトしたり、折りたたんで1枚の幅で使ったりと様々な用途に活用できます。
突っ張りパーテーション
突っ張りパーテーションは、支柱を伸縮させ、天井と床で突っ張って立たせているパーテーションです。厚みは5~6cm程度です。壁のように見え、棚やフックを取付ければ、施術に使う道具などの収納にも役立ちます。工事不要で、天井や床、壁に穴を開けずに設置できることがメリットです。パーテーションのパネルは、半透明のアクリルやメッシュ、木製、マガジンラックなど、様々なタイプが揃っています。
施工型パーテーション
施工型パーテーションは、天井と床に固定する間仕切りのことです。部材はパネルと支柱、レールなどに分かれ、組み立て工事が必要になります。厚みは5~7cm程度です。施工の手間がかかることや、自立式などよりコストが高くなることはデメリットでしょう。しかし、その分頑丈なことや、レイアウトを変えたい時に、材料を再利用して移設できることがメリットです。
サロン/美容室用パーテーションの種類まとめ
4種類の美容室用パーテーションのメリット・デメリットを一覧にまとめました。選ぶ際の参考にして下さい。
サロン/美容室用パーテーション4種類のメリット・デメリット一覧 | |||
種類 | パネルの厚み 脚の奥行き |
メリット | デメリット |
自立式パーテーション | 厚み約3~4㎝ 約40cm |
・置くだけで使える ・費用が安価 |
・安定脚が邪魔 ・つまずいて転ぶリスクがある |
可動式パーテーション (キャスター付き) |
厚み約3~4㎝ 約40cm |
・簡単に移動できる ・軽くてフレキシブル |
・安定脚が邪魔 ・つまずいて転ぶリスクがある |
突っ張りパーテーション | 厚み約5~6㎝ (約20cm) |
・工事不要で天井や床に穴が開かない ・棚やフックを取付け可能 |
・強い衝撃で倒れる心配がある |
施工型パーテーション | 厚み約5~7㎝ | ・天井と床にしっかり固定される ・色やデザインのバリエーション豊富 |
・費用が高め ・工事が必要 |
サロン/美容室用パーテーションでおしゃれな半個室を作る方法
最後に、美容室でパーテーションを使い、おしゃれな半個室を作る方法を解説します。
インテリアに合うデザインを選ぶ
美容室にパーテーションを導入する際は、内装の雰囲気を損ねないよう、インテリアに合うデザインを選ぶようにして下さい。床や壁の色に合わせたり、同じ素材を使ったりするのがおすすめです。座っているお客様に圧迫感を与えないことが大切です。重たい印象を与える色や彩度が高い派手な色など、主張し過ぎる色やデザインは避けましょう。
ガラスやアクリルを使う
美容室でパーテーションを使って半個室を作る際は、ガラスやアクリルを使うのがおすすめです。居心地の良い半個室では、お客様はプライベート空間で過ごすように、リラックスして施術を受けることができます。しかし、壁で高い位置まで間仕切ってしまうと、圧迫感が出たり、採光が取れずに暗かったり、スタッフが席を外している時に孤立感を感じたりします。
施工型パーテーションなら脚が邪魔にならない
自立式パーテーションや可動式パーテーションは、置くだけで使える手軽さがあります。しかし、長さ40cm程度の安定脚が出っ張るため、小さめの美容室や、隣との席が近い場合などは、お客様やスタッフが移動する際に、つまずいて転んでしまう心配があります。
サロン/美容室用パーテーションでおしゃれな半個室を作る方法【まとめ】
今回は、パーテーションでおしゃれな半個室を作る方法を解説しました。パーテーションで半個室を作る4つのメリットは、お客様がプライベート空間で寛げることや、サロンの開放感を損なわないこと、飛沫感染予防になること、サイズや素材のバリエーションが豊富なことです。また、美容室用パーテーションの種類は、自立式、可動式、突っ張り式、施工型の4種類があります。自立式や可動式は手軽さや安価なことがメリットにあるものの、安定させるための脚が出っ張ることがデメリットになります。突っ張りタイプは、脚は出っ張らずに、壁のような仕切ができることが魅力です。しかし、固定されていないことで、ぶつかって倒れるリスクがデメリットとなります。施工型パーテーションは、4種類のなかではもっとも費用と手間がかかります。しかし、天井と床でしっかり固定するため、安心感があります。狭い空間でもすっきりと間仕切れ、安全でおしゃれな半個室を作ることができます。