オフィスではパーテーションやドアのガラス部分に「フォグラスFoglas」を施工することがあります。しかし、内装のリニューアルをしたことがない方にはあまり聞きなれないワードかもしれません。今回はとても便利なすりガラスシート「フォグラスFoglas」について紹介していきます。
フォグラスとは?(Foglas)
フォグラスを施工すると、透明なガラスを曇りガラスに変身させることが可能です。メーカーの中川ケミカルから発売されている装飾用シートで、材質は塩化ビニル系でできています。また、透明度やグラデーションなど種類が多く、簡単に貼りつけができるためとても人気です。さらに、加工や剥がす場合も比較的楽におこなえるのも特徴。窓やパーテーションのガラス部分など、目隠しをしたいと思ったときには施工を検討してみるといいかもしれません。
ガラスへの施工方法・貼り方
フォグラスの貼り方は「水貼り」というやり方です。水貼りをおこなう場合には注意点もあるので紹介していきます。
水貼りの方法は?
水貼りとはで貼りつけ面を濡らし、フィルムを貼る方法です。実際、水貼りをおこなわなくてもフィルムには粘着力があるためガラスにくっつけることはできます。しかし、粘着力だけでくっついてしまうと、ずらすことができないため細かな位置調整ができません。水貼りをすることでガラスとフィルムの間に水が入り、位置調整が容易にできるようになります。
➀ガラスをクリーニング
まず、フィルムを貼る前にガラスのクリーニングが必要です。ガラスに洗剤水を吹きつけ、ワイパーなどで水切りをおこないます。使用する洗剤は市販の中性洗剤がおすすめです。クリーニングをおこなうことで小さなホコリなどのごみを取り除くことができます。
②貼りつけをおこなう
クリーニングが完了したらフィルムの貼りつけが可能です。綺麗になったガラスに再度、霧吹きで洗剤水を吹いていきます。この時洗剤水の量は貼りつける面がビショビショになるくらいが目安です。また、貼りつけるフィルム本体にも洗剤水を吹きましょう。フィルムには本体の粘着面に保護シートがついているため剥がしながら霧吹きで濡らしていきます。保護シートを剥がしたら接着面が汚れないように注意が必要です。洗剤水を吹き終わったらフィルムを貼りつけていきます。貼りつけをして位置が確定したら、残ってしまった気泡や水を取り除きましょう。専用のスキージを用いて内側から外側へ伸ばすようにおこなうと、中に入っている気泡や水を上手く取り除くことが可能です。
③完成
スキージを用いて水を抜き終わったら、ガラスの大きさピッタリになるようにカッターなどを用いて調節します。サイズ調節が終わったら作業は完成です。水が乾燥するまでしばらく時間を置きましょう。
水を使うため注意
水貼りをおこなう施工には水の使用に注意が必要です。水貼りは水を多量に使うことがあるため現場の足元がビショビショになってしまうこともあります。小さなサインを取りつけるなどで水貼りをおこなう場合はあまり濡れることはありません。しかし、フォグラスはパーテーションや窓など広い範囲に貼ることが多いため、より多くの水を吹きかけます。もちろん業者は養生を徹底しますが、施工場所の床が濡れてしまう可能性も。水貼りをおこなう際は現場近くにある精密機械など、濡れてはいけないものの移動を検討しましょう。
施工後に水が残ることについて
フィルムを貼り終わって気になるのは水残り。水貼りをおこなうと必ずフィルムとガラスの間には水が残ってしまうものです。スキージで伸ばすようにして気泡や、ある程度の水は取り除くことができます。しかし、水は完璧には取り除けません。「水が残っていて大丈夫?」心配になる方も多いでしょう。ですが、水残りは時間が経つにつれて抜けてなくなります。もし、大きな水残りがあり気になった場合は、業者に確認してスキージで抜いてもらいましょう。
ガラス以外にも施工できる?
フォグラスはアクリル板への使用が可能な場合もあります。しかし、アクリル板などの樹脂素材の板に貼ると、気泡ができるなどのトラブルになるケースも。また、フォグラス ガードなど品番によっては、アクリルへの施工が不可と明記されているものもあります。アクリルなどガラス以外への施工を考えている場合は、メーカーに貼りつけの可否を問い合わせた方がよいでしょう。
部屋のどちら面に貼る?
ガラスシートは一般的に部屋の内側に貼ることが多いです。メーカーの中川ケミカルでは、記載がないものは内貼り専用とされています。しかし、近年では外貼り可能なモデルも発売されており、窓際のものを移動するのが困難な時に有効です。また、室内に設置されているパーテーションの場合も、廊下で人が通って擦ってしまうことなどを考慮すると部屋内に貼る方がよいかもしれません。人や物が触って擦れると傷や剥がれの原因になり、目立ってしまうことも考えられます。
すりガラスシートの種類は?
中川ケミカルから出ているすりガラスシートの種類は大きく分けて2つです。これらは機能性に違いがあります。
フォグラスは、貼ることでガラスをすりガラス調にできるフィルムです。20種類以上のラインナップがあり、グラデーションなどの模様や、透明度の違いなどから好みのものを選択できます。また、インクジェットによる出力、部屋の外貼りができる商品なども登場しており、用途によっての使い分けがおすすめです。
フォグラスに飛散防止がプラスされたのがフォグラスガード。施工しておくと、地震などが起こった場合にガラスの飛散を防止してくれます。また、紫外線の抑止効果もあるため窓にピッタリです。
よく使われるフォグラスC-16はいくら?
フォグラスの値段はサイズや種類によって違いがあります。今回はオフィス内装でよく使用される品番「C-16」の参考価格をサイズごとにまとめました。価格は長さ(m)×幅(mm)で表しています。
サイズ | 値段 |
1m×920mm | 1610円 |
1m×1010mm | 1780円 |
1m×1200mm | 2320円 |
1m×1300mm | 2460円 |
オフィスでのおすすめ施工場所は?
ガラスパーテーションへの施工
パネルがガラス張りのパーテーションには目隠しにフォグラスを施工するのがピッタリです。ガラスのみのパーテーションだと部屋の中が丸見えになってしまい、外が気になり毎日の業務や会議への集中力が低下してしまうことも考えられます。社員が業務に集中するためにもパーテーションのガラスはすりガラス状にすることがおすすめです。また、デザイン性が豊かなため個性あるお洒落な空間を演出できます。たとえば、センターはモザイクが強いが上下は透明であるなどグラデーションの品番。貼る高さを指定して加工すれば、ガラスの下側だけなど全面に貼らないことも可能です。お洒落なフォグラスはオフィスの印象を明るいものにし、社員のモチベーションアップにつながることでしょう。
扉ガラス部分の目隠しに最適
オフィスの扉などで、センターがガラスの仕様になっているものを見たことはありませんか?センターがガラスだと外から覗かれるなどして気が散ってしまうケースも。機密事項などの書類を保管する部屋にしたいけれど、センターがガラスの仕様になっている扉がもともと設置されているなど。このような扉の目隠しをしたいときは、フォグラスを使うのがおすすめです。扉のガラスは大小さまざまなため、使用するシートの大きさを調整しなければなりません。ですが、カッターで加工できるフォグラスは大きさ調節が簡単で最適な材料だと言えます。また、モザイクはかけられますが、完全に部屋の内側が見えなくなるわけではありません。照明の明かりを通すため、人が中にいるのか、電気の消し忘れはないかなどの確認ができます。
テレキューブへの施工
テレキューブへの施工もおすすめです。テレキューブとは、株式会社ブイキューブのつくった個室ブースです。オフィスや駅などさまざまな場所に設置されています。また、防音性に優れていてプライベート空間での集中した作業が可能です。しかし、扉やパネルは透明で外からの視線を感じることもあるかと思います。個室空間での集中力をより高めるためには、すりガラスシートを施工することがおすすめです。
窓に貼りつけ
外からの視線を遮りたい場合には窓にフォグラスを貼りましょう。カーテンを用いる方法もありますがレールを取りつけるなど手間が多いという欠点があります。また、すりガラスシートは半透明なため日の光を遮りません。さらに、品番によっては飛散防止効果があり、地震などの災害が起こった場合にガラスが飛び散るのを防ぐこともできます。
【Foglas】フォグラスとは?目隠し!すりガラスシートの施工方法【まとめ】
フォグラスとは、透明なガラスを簡単にすりガラスにすることができる便利なアイテムです。もし、ガラスにモザイクをかけたいとお困りの場合は施工を検討してみてください。また、パーテーションを新設する場合は同じタイミングで、フォグラスを貼っておくといいかもしれません。後から貼る場合、物の移動など手間になる可能性があるため早めに貼っておくのがおすすめです。