事務所の移転というのは、とても大変な作業です。実際に移転作業に入る何か月も前から計画を立てなければいけませんし、移転が終わったら終わったでやるべきことはたくさんあります。
そういった中で忘れてしまいがちなのが、事務所移転にあたって必要になってくる郵便関連の手続きです。
大切な書類が郵便で送られてくるというのはよくあることですので、事務所の移転を控えているのであれば郵便に関する手続きを早めにおこなっておきましょう。
取引先へ事務所が移転したことを連絡
今の時代、取引先とは電話かメールでのやり取りがほとんどというところも多いでしょう。ただ、事務所の移転にあたっては取引先へ事務所移転のお知らせを郵送するようにしてください。
ハガキでもOKですし、手紙でもOKです。事務所移転にあたってのあいさつにプラスして、移転後の事務所の住所など必要な情報を伝えるようにしましょう。
最近では事務所移転のお知らせをメールでお知らせするというところも増えているようです。取引先との関係性も踏まえて、ハガキや手紙にするのか、それともメールにするのかを判断していくようにしてください。
取引先に事務所の移転や移転先の住所を教えないままだと、送ったものが返送されてきて取引先も不愉快な思いをしてしまいます。
移転後も良好な関係を築いていくために、1か月前くらいには事務所移転のお知らせをするようにしましょう。
郵便局の転居・転送サービスの利用
郵便局には転居・転送サービスというものが用意されています。このサービスでは、引っ越しなどの際に近くの郵便局の窓口で転居届を出しておくことによって1年間旧住所あての郵便物などを新しい住所へと無料で転送してくれます。
ただし、転送開始希望日から1年ではなく、届出日から1年間になりますのでその点は注意しておきましょう。
事務所の移転の場合には社員証や各種健康保険証など窓口へ出向く方と会社の関係がわかるものが必要になってきます。
それに加えて、旧住所が確認できる運転免許証、パスポート、個人番号カード、住民基本台帳カードまたは住民票等、官公庁が発行した住所の記載があるものも用意しておきましょう。
ただ、事務所の移転にあたっては何かと忙しいですし、何よりも今は新型コロナウイルス感染拡大の影響がありますので、できれば郵便局に足を運ぶのは避けたいという方もいるでしょう。
そういった場合には、郵便局の「e転居」というサービスを利用することができます。
「e転居」というのは、インターネット上で転居届を受け付ける無料サービスのことです。携帯電話かスマートフォンがあれば、郵便局の窓口でおこなうことをオンラインで完結させることができます。
あくまでも郵便物に限られますが、1年間の猶予ができるというのは気持ちの面でも大きなプラスになります。
郵便局以外の配送会社での事務所移転に関する手続き
郵便ということであれば基本的に先でご紹介した郵便局のサービスを利用すればいいのですが、事務所には郵便局以外の配送会社からの荷物も届くものです。
その場合にもそれぞれの配送会社で手続きが必要になってきます。代表的な配送会社としてヤマト運輸と佐川急便について触れておきます。
法人としての利用の場合には事情が異なることもありますし、その他の配送会社で対応が違うこともありますので、どちらにしても事前確認は必須です。
ヤマト運輸の場合【宅急便転居転送サービス】
ヤマト運輸には宅急便転居転送サービスというものが用意されています。基本的には郵便局のサービスと同じで、申し込みをすると1年間、旧住所宛の荷物を新しい住所へ自動的に転送してくれます。1年以上利用する場合には、再度申し込みをすればOKです。
ただし、ヤマト運輸の宅急便転居転送サービスは手続きがやや面倒です。というのも、まずは郵便局に転居届を提出しなければいけません。
「転居転送サービス本申込書」という往復ハガキを一度旧住所に届けてもらって、そこから新住所へ転送するというステップが必要になりますので、なりすまし防止のために他機関を使用して本当に引っ越しをしているのかどうかを確認しなければいけないのです。
届出をおこなったら、ヤマト運輸のほうへサービスの申し込みをします。クロネコメンバーズにログインして、「宅急便転居転送サービス」を選択してください。お客様情報を確認して、転居先の情報の入力をすれば仮申込が完了となります。
ちなみに、ヤマト運輸の直営店に設置されている仮申込書に記入して、直営店や担当のセールスドライバーに渡すという書面での申し込みもできるようになっています。
そして、「転居転送サービス本申込書」という往復ハガキが旧住所に届いた後、新住所へ転送されますので新住所で受け取ります。署名と押印をして返送し、本申込書がヤマト運輸に到着後、サービスが開始となります。
後日、ヤマト運輸から「サービス開始のご案内」を宅急便で送られてくるので、それを受け取って完了です。
佐川急便の場合【転送サービスなし】
佐川急便には郵便局やヤマト運輸のような転送サービスはありません。そのため、転送が必要な場合には転送料を支払って、荷物を転送してもらうことになります。
事務所の移転を早めに周りに伝えておくのはもちろん、コンビニ受け取りなどを利用してできるだけ転送料がかからないようにしておきましょう。ただ、営業所によっては相談に乗ってくれる可能性もあります。
会社・事務所の移転に必要な郵便や宅配に関する手続き【まとめ】
事務所の移転にあたっては何かとバタバタしてしまうものですが、郵便や荷物の受取りに関してはきちんと手続きを進めておきましょう。
万が一郵便や荷物が返送されてしまうと、取引先との関係が悪化してしまう可能性もありますし、場合によっては転送料がかさむこともあるのです。
トラブルを回避し、コストを抑えるためにも早めに確認と手続きをおこなっていきたいところです。