皆さんは工事区分表の作り方をご存知でしょうか?
本記事では、トラブルのない工事区分表の作り方について詳しく解説していきます。
工事区分の基本
賃貸借契約を結ぶ際には、工事区分表を作ることが多いです。
これは、入居の際に行う改装工事や、退去の際の原状回復工事を誰の責任で行うかを示す表です。
この表がないと、物件に損傷があった場合に、誰が費用を負担するのか、業者の選定を誰がするのかというのがあいまいになってしまいますので、トラブルの原因となります。
そのため、必ず賃貸借契約を結ぶ際には作るようにしましょう。
工事区分では、よくA工事、B工事、C工事という表記がなされます。
これは、不動産オーナーと借主がどのように関わるかを示すものです。
A工事はオーナーが工事業者を決めて、費用もオーナーが負担します。
B工事は借主が費用を負担しますが、オーナーが業者を決めます。
C工事は借主が業者の選定も費用負担も行います。
A、B、C工事の代わりに、甲工事、乙工事、丙工事という表記をすることもありますが、同じことを指します。
工事区分表の作り方
工事区分表には決まった書式があるわけではありません。
そのため、不動産オーナーがそれぞれ分かりやすい仕方で作成します。
通常は、文字の羅列ではなく見やすいように一覧表になっています。
たとえば、工事の項目として電気工事や内装工事、安全設備、付属設備などが記載されます。
それを基により詳細な工事内容が記載されます。
内装工事であれば、床はタイルカーペット、壁はクロス、天井は塗装といった具合です。
そして、それぞれの工事がA工事、B工事、C工事のいずれに該当するのかが明記されます。
もし何らかの詳細が必要であれば備考欄に注釈が記されます。
オーナー側で、仕上がりの状態や設備の中身を決めたい場合などです。
たとえば、天井は白の塗装で仕上げる、キッチン設備はこのメーカーのものといった感じです。
さらに細かく分類して工事区分表を作ることもあります。
特に飲食店など、借主によってかなり物件のレイアウトやデザインが変わってしまう場合です。
こうしたケースでは、借主が設計をすることが多いので、デザイン設計は借主が選定できるものの、業者選定はオーナーが行うという指定をすることもあります。
それに当たっては、B工事の中に「B1」と「B2」という区分を設けることもあります。
B1は通常通り、設計者も業者もオーナーが指定します。
一方でB2は、工事業者はオーナーが指定しますが、設計者は借主が指名できるというものです。
まとめ
工事区分表は、誰が費用負担や業者選定をするかを決める大事な契約書の一部です。
しっかりと契約時に作成しないとトラブルの元となります。
分かりやすい表にして、両者が理解しやすいように作りましょう。