テナントやオフィスから退去する際の原状回復工事で、B工事という単語を聞いたことがあるかと思います。
本記事では、なぜB工事で受注されることが多いのかについて詳しく解説していきたいと思います。
B工事とは?
テナントやオフィスに入居する場合、たいていはなんらかの工事が必要となってきます。
クロスの張り替えなどの内装工事、電源タップの増設などの電気工事などがあります。
こうした工事においては、誰が業者を選んで誰が費用を支払うかというのが問題となります。
その一つの形態としてあるのが、B工事と呼ばれるものです。
これは、入居者がこんな工事にしてほしいと発注をしますが、業者を自分で選ぶことができないというパターンです。
すでに不動産オーナーと工事業者の間で契約があり、オーナーが決める業者が工事を担うのです。
そして、その費用は入居者が支払うことになります。
なぜB工事にするオーナーが多いのか?
B工事を好む不動産オーナーはかなり多くいます。
それにはいくつかの理由があります。
まず、大事な物件をルール外の改装をされたり、不動産価値を損なうような工事をされたりしないようにという思いがあります。
知らない業者に依頼すると、思わぬトラブルに発展することもあります。
そこで、すでに信頼関係にある業者のみに工事をしてもらうことで、安心して依頼できるというのがオーナーの考えなのです。
もう一つは、オーナーと工事業者の間で何らかの利害関係が生じていることがあります。
たとえば、工事業者がオーナーが持つ関連会社だったり、家族や知り合いの会社であったりするパターンです。
もしくは、工事業者からオーナーに対して、紹介料やコンサル料などの名目でリベートが払われていることも多いです。
B工事のデメリット
こうした理由でB工事となることが多いため、デメリットが生じます。
入居者としては、こんな形でリフォームをしてほしいと思っても、業者がそれはできないと言って工事内容が限定されてしまうというケースです。
また、業者が決まっていますので、いわば独占化価格のような状況になり、相場よりも費用が割高となります。
オーナーや業者にとっては都合の良い工事形態ですが、入居者にとっては不利なことが多いのでB工事の場合は、その詳細をしっかりと把握しておくことが大事です。
まとめ
B工事とは、入居者が発注して支払いも行いますが、オーナーが業者を選定しているため、他の選択肢がないという工事の形態です。
多くの場合、オーナーが持ち物件の工事を信頼できる業者にのみしてほしいと思っていたり、何らかの金銭的な利益を求めてこの形態を採っています。
通常よりも工事内容や価格の面で入居者に不利となりますので、不動産選定の一つの基準とすることもできます。