オフィスを引っ越しをするときに、もう使わないオフィス家具の処分に費用がかかることはご存知ですか。企業から出るゴミは産業廃棄物として取り扱われ、要らなくなった不用品の処分にも費用がかかります。今回はオフィス移転の際の不用品処分をスムーズにコスパ良くするためオフィス用品の買取りと回収・処分の方法についてのポイントをまとめました。
不用品処分に伴う回収・買取り・リサイクルの流れ
一般的な引っ越し業者を決めるのと同じように、依頼から見積もり、契約の流れは一緒です。引っ越しと違うのは、自分たちで業者へ品物を持ち込む場合があるということです。小規模のオフィスは出張買取りよりも持ち込みの方がコストダウンすできる場合もあるので以下の手順を参考にして費用と時間を調整してください。
1)問い合わせと申し込みする
問い合わせをする時には、現在のオフィスの広さと、引き取って欲しい品目を大まかに伝えます。また、買取してほしい家具やOA機器は、実際に買取りが可能かを、業者が見に来て調査する場合がほとんどのため、見積もりの候補日も事前に準備しておきましょう。
2)見積もり・査定
業者が実際の品物を見に来ます。無名ブランド、傷があるものや古いものは買取り値がつきません。余裕があれば予め自社の買取りを依頼するものについてどこのメーカーの品物なのかを確認し、どれくらいで買い取られているのかをウェブサイトで見ておくと良いでしょう。
3)契約・搬出or持ち込み
見積もり後に買取りの査定結果をもらい、それに納得した場合に買取の契約締結となります。場合によって引き取りにトラックの手配や人件費として手数料がかかるので、予め引き取りの時はいくらかかるのか明確にしておきましょう。一方、不用品の引き取りの場合は処分にかかる費用の確認をして処分・回収に関する契約を締結をします。持ち込みの場合は社内の中で誰がその作業を行うかを予め決めておきましょう。
買取り・リサイクル可能なオフィス家具
一般的に社内にあるオフィス家具は、ほとんどが買取りやリサイクルの対象となります。ハーマンミラーやカッシーナ、オカムラやイトーキなどの特に有名なブランド物は高値で買い取られます。業者は買い取ったものを再販するため、売れやすいものは当然値段がつきます。一方で、愛着があっても傷があるもの、経年劣化が激しい場合は値段がつきにくい傾向があります。
産業廃棄物となるものとその処理
買取りを依頼する一方で、買取り不可のものが出てきます。例えば、錆びたスチール棚や欠損品、リース契約中のものはもちろん買取り対象になりません。よくあるグレーの机を処理する場合は、金属くずや廃プラスチック類の混合物として、両方の廃棄の許可品目を持つ業者へ依頼する必要があります。廃棄に関しての行政からの要請は細かいため素人には分かりにくい部分が多いので、可能なかぎり業者に任せるようにすると良いでしょう。
機密書類の処分について
社内だけで共有可能な機密文書、社外秘文書や部外秘文書を処分する場合も、業者での処分が可能です。量が少ない場合は従業員が手作業でシュレッダーにかければ済む話ですが、個人情報が掲載された文書などの機密書類が大量に出た場合は、業者に「溶解処理」を依頼することができます。ダンボールに不要となった処分書類をつめて業者へ渡し専用の薬液で溶かし処分するので手間がかかりません。手早く大量に機密書類を処分したい場合にはおすすめです。
回収・処分・買取業者の選び方
正規業者に依頼する
産業廃棄物回収業者は社会のブラックボックスとなっている場合があり、反社会勢力でない業者であるかを必ず確認しましょう。方法としてはウェブサイトの確認、取引事例、価格、許可の取得をしているかをまずはチェックしましょう。(許可の取得については後ほど後述します。)知らない間に、反社会勢力と関わっていた、事情聴取が入った、など起きないように事前チェックは必ずしましょう。マニフェストの交付についてもその有無を確認しましょう。
マニフェストの作成ができる業者
産業廃棄物を処理する時にはマニフェストという書類を作成しなければなりません。これは業者が交付する産業廃棄物管理伝票のことを指します。産業廃棄物管理伝票は、産業廃棄物の処分を行った業者が、どこの企業から依頼を受けて、どのように処分したのかを証明する書類です。不法投棄の撲滅のため、適切に処理するために1990年に環境省の指導によりこの交付が始まりました。
許可証を持っているか?
正式な許可である「産業廃棄物処分業許可証」を持っている業者と取引をしましょう。移転に伴う、不用品の処分については昭和45年に発令された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」通称「廃掃法(廃棄物処理法)」に基づき、事業者は自らの責任で処理しなければならなくなりました。その法令に違反した場合は5年以下の懲役または最高3億円以下の罰金が科される可能性があるとされています。そのため、廃棄する時は法令通りの手続きが必要です。不用品の回収を依頼した企業は『依頼者として、その責任が問われ』ます。必ず許可証を持っている業者と取引をしましょう。
買取りと産業廃棄物の引き取りの両方が可能か?
実務以外に行う移転はただでさえ忙しない上に、買取りと廃棄するものの仕分けと業者の手配をしなければならないため、手間がかかります。そのため、できれば買取りと産業廃棄物の処理を一緒にしてくれる業者を選ぶことをおすすめします。当社では不要となったオフィスパーテーションやオフィス家具の買取から産業廃棄物の処分までワンストップで行っております。
引き取り出張料がかからない
先述しましたが、買い取る品物や産業廃棄物を引き取る際に、トラックの使用料や作業の人件費として手数料がかかる場合があります。業者によっては買取りのみでも出張料がかかり、買取り代金よりも引き取り手数料が高くつく場合もあるので、業者の比較サイトを見てできるだけ手数料がかからない業者を選ぶようにしましょう。一方で、中には悪徳業者も含まれていて、近年不法投棄のニュースを見た方も多いのではないでしょうか。極端に価格の安い場合は不法投棄をする可能性もあるので注意するようにしましょう。
エリアが近い
運搬する距離が近いと人件費や運送費のコストダウンができる可能性があるので、できるだけ同じ地域の業者を選ぶことをお勧めします。同じ地域の業者はそのエリアでの廃棄に慣れているため市区町村別の廃棄の方法にも詳しく、話が早く進みやすい場合が多いのでおすすめです。
《番外編》引っ越し業者に産業廃棄物の処理を依頼する
引っ越し業者の中には、先ほどから述べている廃棄物の処理の許可を得ている業者があります。オフィス用品の買取り専門業者に依頼して、買取は別業者で、廃棄物の処理は引っ越しの際に行うというのも一つの方法です。当社オフィスボールでは、オフィス移転 → オフィス・パーテーションやオフィス家具の買取 → 内装工事 → 産業廃棄物、の処理や作業をワンストップでお受けしております。お気軽にご相談ください。
自治体や処分場に持ち込むケースも
場合によっては、企業の廃棄物を受け入れているケースもあります。今時は業者に依頼できないことはほぼありませんが、万が一業者に依頼し引き取った後にまた産業廃棄物が出てきてしまった時などに必要な対処となるので、自治体や処分場での対応も確認しておくと良いでしょう。ただし、自治体や処分場は解体や運搬は依頼できないので注意が必要です。
オフィス引越しに伴う不用品処分・買取・リサイクルの方法を解説【まとめ】
以上、オフィス移転の時の不用品の買取りとその処分についての依頼方法を解説しました。一つ処分をするのにも、人手やコストがかかります。オフィスで使うものは、一般家庭のゴミと違って簡単に捨てることはできないので、その処分や廃棄方法を確認して不用品は正しく処分してください。