オフィス移転のコンセプトを決めるために重要な3ステップ

事務所の転居において、いちばん最初にすべき作業はコンセプトを決めることです。明確なテーマを決定せずに移転をしてしまうと、企業の成長が見込めない意味のない移転となってしまいます。この記事がオフィス移転に関するコンセプトを決めかねている企業さまのご参考になればと思います。

 

そもそも「コンセプト」って何!?

オフィス移転のコンセプト

そもそも、会社が引っ越す際のコンセプトとはいったいどういう意味なのでしょうか。端的に言えば、どのような引っ越し(リロケーション)にするかのテーマのことです。根本的な発想や、行動するうえでの基本な考えとも言えるでしょう。なお、会社の移転では最初にコンセプトを決定しましょう。

 

なぜ重要?オフィス移転で最初にコンセプトを決める理由

ではなぜ、テーマを決定することがそれほど重要なのでしょうか。それは、転居をきっかけに会社としてステップアップする為にはどうしたら良いか、ということにフォーカスして十分な議論を重ねることで、より良い事務所づくりができるという理由があります。テーマを決めずに転居をすると、ただ事務所の立地が変わって机や椅子が新しくなっただけという会社としての成長があまり感じられない「意味のない引っ越し」になってしまいます。それでは多くのついやした労力やお金が無意味になってしまいます。オフィス移転をする際は、コンセプトの決定がいちばん最初のタスクなのです。

 

オフィス移転の目的やテーマを決める前に

事務所のリロケーションは、1人の総務担当が中心となって実施することが多いです。しかし、そうするとトップダウン方式で経営サイドが考えた事務所デザインになってしまいがちで、結果的に従業員にとってはあまり魅力のない移転になってしまうことがあります。筆者は以前の職場で社内の総務担当者からレイアウト変更のコンセプトについて相談されたことがあります。私は当時営業職で、お客様のオフィス移転を何度も経験していたことから相談をしてくれたのです。「レイアウトが一般的なものではなく、ガラッと雰囲気を変えるトレンドのデザインにしたいのだが、どう思う?」という相談内容でした。私は「とても良いアイデアだ」と回答し、期待して結果を待っていたのですが経営者の一言で却下され、可もなく不可もない、ただデスクと椅子が新しくなっただけという、あまり特徴の無い事務所になりました。業績が良く、コストをかけることができる状態であったにも関わらずです。

 

このように、1人の担当者が中心となってコンセプトを決めると、結果、経営者の好みのデザイン・レイアウトとなってしまうケースがあります。お客様のオフィス移転を数々担当させていただいた私の経験からも多いケースだと感じます。そこで、なるべく別の部署からスタッフを選抜してチームを結成し、移転プロジェクトを任せるといった方法があります。実際に日々の作業をしている各生産部門のスタッフ同士が意見を出し合うことで、より働きやすい理想の職場環境の構築へと、導きやすくなるのです。

 

4つの代表的なコンセプトの例

それではここで、会社の移転に関する代表的なテーマの例を4つ解説します。

 

代表例:①自社のブランディング

代表例の一つめは企業のブランド化です。自社のブランド価値を向上させることで、顧客への認知度をあげるという目的があり、マーケティングの手法のひとつでもあります。例えば、頭痛と言ったら『バファリン』、掃除機と言ったら『ダイソン』のように、人間の行動や状態によって直ぐにその商品が頭に浮かぶことこそ、最も理想的なブランディングです。しかし、テレビCMやその他の広告を活用するには莫大なコストがかかってしまいます。良い方法はないでしょうか。

 

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ホームページなどで経営理念や社風などを文章で伝えようとしても、全てを読んでくれる人はあまりいないでしょう。筆者も企業のホームページを閲覧する際は、会社情報の企業理念やら社風やら、長々と記載されている文章を隅から隅まで読むことはありません。もしその企業の採用面談を受けるのであれば話しは別ですが、商品を購入する際にどんな会社なのかホームページを閲覧するときに、企業理念までは読みません。しかし、会社のオシャレなフロアやカラーデザインをホームページにさりげなく載せることで、企業のイメージを視覚的に宣伝・アピールができます。これは非常に効果的です。例えば、会社のイメージカラーを基本としたデザインにすれば、来訪者やホームページを見た顧客が瞬時に会社の雰囲気を感じとり、ファンを増やすキッカケへ繋がります。外資系企業のように、明るい原色をふんだんに盛り込んだデザインにする方法も、ブランディングをするうえでは効果的な手法の一つです。

 

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外資系企業はどの会社もブランディングが上手です。例えば、イギリスのヴァージン・アトランティック航空社の日本事務所はとても印象的でした。床がほぼ一面、真っ赤なタイルカーペットで敷き詰められていて、しかし派手すぎずというデザインで非常に好印象です。一瞬にして海外へ足を踏み入れたような気分になったことを今でも鮮明に覚えています。

 

代表例:②生産性を向上させたい

生産性の向上を目指し、日々の作業の効率化を目的に転居をする会社も多いでしょう。会社のレイアウトでは、セクション毎に机の正面を互いに付け合わせ、その列へ向かってリーダーの座席があるという事務所はよく見かけます。お互いの電話の声がジャマにならないよう、向い合せの境界にパーテーションを設置しているオフィスも一般的です。狭いフロアでもたくさんの机を並べやすく、テナント賃料の削減になることが、これらレイアウトのメリットです。また、部門内でコミュニケーションがとりやすくなるので、チームとして一体感が増すという特徴があります。さらに、部門長は常に自チーム全体が見渡せるので、部下をマネージメントしやすいという特性もあげられます。

 

デメリットとしては、他のセクションとの連携が取りづらいのでプロジェクトの進行が遅くなったり、新しいアイデアが出にくいということがあります。また、組織編成や従業員が増減するたびに席替えなどの作業が発生してしまい、手間やコストがかかってしまう場合があります。さらに最近では、コロナ禍によりテレワークを取り入れる会社が増えているため、毎日出社しなくても良い部門の机は、常に空席の状態が続くというムダが発生してしまいます。

 

したがって、仕事の効率化や合理化をはかるため、最近注目されるようになったABW(Activity Based Working:従業員が自分で作業する場所やタイミングを選ぶ働き方)を採用する会社がコロナ禍で飛躍的に増えています。

 

代表例:③社員のモチベーションをアップさせたい

社員は日々、会社に対する問題点や課題などを抱えつつ作業をしてます。かくいう筆者も、20年間のサラリーマン生活でそのような経験がたくさんあります。解決すべき部署の問題点などは忙しさを言い訳に上司本人には言えず、同僚と食事へ行ったりして課題や問題点などをお互いに言い合いながらストレスを発散をさせ、また次の日からがんばって働くといった日々を過ごしました。そんな従業員が普段、会社や上司へ言いづらい課題や問題点を事務所の引越しによって解決し、社員がモチベーションを上げて最高の状態で仕事に励んでくれるようになれば、上述した『生産性の向上』や『作業の効率化』へもつながるのです。

 

リロケーション先の周辺が、病院や飲食店やハイセンスなカフェが多かったりする、誰から見ても魅力的なエリアというのは、実際は限られています。そのようなエリアは人気も高ければ家賃も高くなるでしょう。それならば、家賃の低いエリアを選ぶ代わりに事務所内の環境改善にコストをかけ、従業員の満足度を向上させるというのも一つの手です。例えば、憧れの転職先として人気の高いAmazon社は、従業員が働きやすい環境を整えることに関してはコストを惜しみません。執務スペースは ”ゆらぎ” をイメージした曲線的なデザインで、心を落ち着かせる作用のある『緑』をたくさん盛り込んだ心地の良い空間を演出しています。またダイニングホール(社員食堂)は非常にクオリティが高くて美味しい料理が『格安』で提供されていることが従業員に大変好評です。テーブルや椅子もおしゃれなカフェのような演出がされており、従業員がリフレッシュできるような空間に仕上がっています。また、リラックスルームではヨガルームやマッサージルーム、シャワールームが完備されています。と言ってもさすがにマッサージルームやシャワールームを完備するのは、費用やメンテナンスの手間もかかるので難しいでしょう。

 

しかし最近では、日本企業でも『オフィスカフェ』によるスタイリッシュな空間を演出する会社も出てきています。例えば、コニカミノルタ株式会社では来訪者はもちろん社員同士のリフレッシュの場として、落ち着きのあるまさに喫茶店のような雰囲気の打合せスペースを導入しています。引越しによって、オフィスがこのような素敵な環境へと変貌したら社員のモチベーションアップは大いに見込めるはずです。

 

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代表例:④優秀な人材を確保したい

社員のモチベーションをアップするため、労働環境を充実させる必要があると上述しました。さらに、これから一緒に働くかもしれない人に対しても企業イメージをアップさせることが、人材不足の昨今では非常に重要なファクターです。就職・転職希望者が興味のある企業を調べる際、まずは会社のホームページを見ることになります。その際、休憩エリアにオフィスカフェが採用されていたり、全体的にスタイリッシュできれいなデザインが目に飛び込んでくれば、瞬時に『こんな会社で働いてみたい』と誰でも感じます。他の企業と比較して、給与面などが同じような条件だとしたら、どちらを選択するかは火を見るよりも明らかです。また採用面談へ来訪した際に、実際のオフィスを体感する事で入社したいという気持ちが強くなる効果も考えられます。優秀な人材は企業がかかえこんでしまって、なかなか離そうとしません。しかし、コストをかけて就職・転職活動をする人へ魅力的な企業イメージをアピールすることによって、優秀な人材確保へつながるのだと考えられます。

 

オフィス移転でコンセプト決定のための重要な3ステップとは?

これまで説明してきた一般的な事務所の転居に関するテーマをご覧になり、もしもひっかかりを感じられるようでしたら、後述する引越しのテーマや目的を決定するまでの組立方法を参考にしてみてください。

 

ステップ①:現状かかえている会社の課題や問題点をリストアップする

経営陣が感じている課題や問題点、社員が日々抱えている不満や問題点をリスト化し、解決策を見出すことで、どのような引越しのコンセプトにするべきかが浮かび上がってきます。会社が抱える重大な問題点を『オフィスの空間づくりによって解決』できることこそが、今回のオフィス移転における自社にマッチしたコンセプトとなるのです。

 

具体的なやり方としては、経営陣からは綿密な会議にて問題点をヒアリングし、社員からはアンケート調査によってヒアリングするという方法があります。社員アンケートの注意点ですが、現実に近い回答を得るため絶対に個人が特定できないようにしましょう。そしてさらに、今回は会社の環境をより良くするためのとても重要なアンケートであることを情熱をもって説明してください。そうすることで、社員の本当のニーズが抽出できようになります。他のチームとうまく連携が取れているか?リラックススペースに満足しているか?など、アンケートの内容は職場環境に関する具体的な内容の質問を中心とした、答えやすい5段階評価でのアンケートが望ましいです。さらに「もっとこう改善してほしい」などの要望や新しいアイデアについてコメントが記載できるアンケートにすることも効果的です。アンケートが集まったら会社の課題や問題点、社員の本音やニーズをリスト化して、解決すべき問題点に重要度をつけて整理していきます。なお、アンケートの項目や集計方法がイメージできない場合は、Yahoo Japan社やLINE社も導入をしているWevoxのような『従業員満足度調査』に関するサービスを活用するのもアイデアの一つです。

 

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ステップ②:会社の問題点や課題に対する解決策を考える

自社がかかえる問題点に重要度がつけられたら、その解決すべき課題の重要度の1位から3位までが今回の移転コンセプトとなります。以前に営業で訪問した先の事務所は会議室がいつも満室でした。訪問先のご担当者に「この会議室は予約はあるが見た感じは空いているから、ここでミーティングしましょう」と言われ、予約済みの会議室なので、もしかして誰かが入って来ないか?とヒヤヒヤしながらミーティングをした事があります。どうやら、打ち合わせがなくなった場合の予約のキャンセル忘れが原因で会議室が ”空予約” となっていたようです。この企業では、このような問題が日常的に発生していました。また、会議室の予約がとれずに全て埋まってしまった時は、近くの喫茶店へ移動してミーティングをするといった場面もありました。しかし、外出してミーティングをすることは来訪者にとって心地良いものではありません。このような何気ない問題点を会社が把握していない、若しくは、現場の担当者も問題点として認識していないケースがあります。外での打ち合わせには、一歩間違えると、情報漏えいなどの重大なインシデントとなりうるリスクがあります。果たして、この場合は、いったいどのような解決方法があるのでしょうか。

 

フロアに会議スペースが一切ない事務所を除き、むやみに会議スペースを増やすばかりでは本質の問題解決にはなりません。会議室の ”空予約” が頻繁に起こる会社であれば、社員に対する注意喚起をして更に徹底してもらうこと、また会議室の”空予約”の防止機能が搭載された、NTTDATAのiMeeting®-Rのようなシステムの導入を検討するというのもアイデアのひとつです。しかし、せっかくオフィスを移転するのですから、最近のトレンドであるABW(Activety Based Working)を取り入れたり、フロアの一部を共用のデスクにした方が生産性を向上することも期待でき、企業が成長するための効果的な移転になると考えられます。また、他部署の社員同士が隣接して作業をすることで、会議室を使用する機会が大幅に減ります。そうすることで会議室の空予約問題に悩まされることなく、来訪者に近くの喫茶店へ移動してもらう時間と手間を省くこともできます。

 

ステップ③:解決策から引越しに関するコンセプトを決定する

様々な問題点を整理しそれぞれの解決策がクリアになってきたら、あとはいよいよコンセプトを決定するというステップへ移行します。前述のステップ②で取り上げた『会議室や打ち合わせスペースが常にいっぱいになっている』という課題に関する解決方法で、ABWなどの導入を例にあげましたが、もし自社の会議スペースの確保が最重要課題となりうる場合は、コンセプトの代表例②にある『生産性を向上させたい』ということが、今回の引越しの最大のテーマ(コンセプト)になります。

 

オフィス移転のコンセプトを決めるために重要な3ステップ【まとめ】

事務所の転居における目的やテーマを決定するには会社の企業理念や社風、業種からの影響も大きいことから、すべての会社が同じテーマになることはありません。事務所の転居をきっかけに、経営陣や社員の声を集めて今ある重大な問題点を明らかにすれば、会社がより良い方向へステップアップする良い機会になると思います。リロケーション先の新しい事務所は決してありきたりな事務所にすること無く、ブランド価値をあげるような優秀な人材も集まりやすい魅力ある空間づくりを現実してください。

 

 

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