高層ビルのオフィスや病院などで見かけるスチールパーテーション。
今回はスチールパーテーションの構造・特徴・費用などについて詳しく説明していきたいと思います。
スチールパーテーションとは
オフィスや事務所の間仕切りに使うパーテーションは大きく分けてスチールパーテーションとアルミパーテーションに分けられます。
スチールパーテーションは、スチールの骨組みに2枚のパネルを用いたパーテーションです。
構造的にも重厚で高級感があり、耐火性や遮音性、断熱性にも優れています。
アルミパーテーションと比べてパネルの単価も高く、重い分施工性は落ちますのでパーテーション工事費用も多少高くなります。
しかしそれに見合った高級感や快適性があるため、パーテーションのスタンダードとしてオフィスや店舗をはじめいろいろな施設で間仕切りとして使われています。
スチールパーテーションは支柱が表に出ないため、パネルだけの壁となるのが特長です。
よってデザインがしやすく、化粧鋼板によってさまざまな色や模様を描けます。
またスチールパネルだけではなくガラスや鏡をはめ込むこともできます。
ヨーロッパ風の豪華なデザインや、木目調や和風デザインなどもでき、事務所のみならず会社のエントランスやショールーム、店舗設計には今や欠かせないアイテムとなっています。
スチールパーテーションの構造
・スチールパーテーションは支柱を中心として両面2枚のパネルで出来ています。
パネルには石膏ボード等が内臓されており、パネル2枚の間に空間があるため遮音性や断熱性(保温性)に優れています。
必要に応じてパネル間に耐火性があるロックウールなどを詰め、さらに遮音性や断熱性を上げることもできます。
いずれにしても可燃性素材を使わないため、耐火性に優れている点も特長です。
オフィスのエントランスや応接室・会議室、レストランの個室、ホテル等の宴会場など防音性と高級感が必要な場所には最も合っています。
特にパネルを両面に使いますので、表をお客様用に豪華なものにし、裏側は従業員用の簡素なものにする等の間仕切りとして表裏の使い分けも可能です。
・消防法ではホテル火災で客室隔壁の延焼で多くの犠牲者を出した経験から、高層ビル(7階以上)の場合はパーテーションなどの隔壁は不燃性の素材に限るように定められています。
スチールパーテーションは防火性があるため、これらでも大丈夫ですが、アルミパーテーションの場合は軽量化のためにパネル芯材に可燃性のペーパーコアを使ったりしたものがあり、これらは使えません。
現在ではスチールパーテーションでもパネル1枚に簡易化したものもあります。
ある意味スチールパーテーションとアルミパーテーションの中間に位置するものです。
これらの場合には軽量化のためにペーパーコアを使用しているものもありますが、不燃処理しているのが一般的です。
高層ビルであってもアルミパーテーションが求められるオフィスや事務所などもありますので、そういう需要に合わせて開発されたパーテーションとも言えます。
なお見た目はスチールパーテーションですが、パネルが1枚であることからアルミパーテーションの「スチールデザインパネル」とする場合もあります。
・スチールパーテーションは、ガラス窓付きやランマ付き、ドアや引き戸など多くの部材が揃っており、ユーザーのあらゆる要望に応えられるようになっています。
パーテーション工事の簡易化のために業界内での規格化も進んでいますが、数えきれないほどのパネルの種類があり、まだまだ製造メーカーによってジョイント方法等が異なる場合も多くあります。
スチールデザインパネル費用
一般的にアルミパーテーションはスチールの3割安と言われていますが、スチールデザインパネルはその中間となります。
1つの事例ですが、パネル価格を比較してみます。
高さ2500mm×幅900mmのスタンダードタイプを比較すると、スチールパーテーションが1枚当たり27,280円に対し、アルミパーテーションは12,100円です。※新品価格になります。
パーテーション工事費用もその中間にあり、運搬・搬入費用は同じです。
最後に
スチールパーテーションについて説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
費用は多少割高になりますが、遮音性や耐熱性などの機能面も優れていますし、最近はデザイン性の高い商品も増えてきています。
今後、スチールパーテーションを設置される機会があれば、ぜひ参考にしてみてください。