美容クリニックの内装工事を行いたいと思っていても、内装イメージがあいまい、もしくはどのような内装にすればいいか見当がつかないという方もいると思います。とくに、初めて美容クリニックの内装工事を行う方は、悩むポイントが多くあるはずです。そこでこの記事では、美容クリニックの内装工事のポイントや業者の選び方について解説していきます。
美容クリニックの内装デザインの5つのポイント

美容クリニックの内装デザインのポイントは、次の5つです。
- リラックス感
- 清潔感
- プライバシーに配慮する
- 導線を意識する
- 制約の少ない物件を選ぶ
これらのポイントを抑えて、お客様に満足してもらえる美容クリニックを目指しましょう。
①リラックス感
美容クリニックに来店されるお客様は、新しい自分になるという期待感と同時に、不安を感じている可能性があります。ですから、不安感を打ち消し緊張感を和らげられるような、リラックスできる空間を提供することが大切なポイントです。一例を挙げると、エントランスの正面にゆったりとした受付カウンターを設置するのがおすすめです。このような空間にすることで、ホテルのようにおもてなしされているような雰囲気の空間にすることができます。ほかにも、観葉植物やアクアリウムなどを設置するのも効果的です。
②清潔感
リラックス感のある空間にするだけではなく、清潔感のある空間にすることも重要です。シンプルな内装にし、明るいイメージを与えることで、清潔感のある空間にできます。結果的に、お客様に安心感や居心地の良さを提供できるでしょう。例えば、メインカラーを白にすることで、明るいイメージや清潔感を提供できます。ポイントでゴールドを配色することで、清潔感のなかに高級感を取り入れることも可能です。ほかにも、照明の色や照度などに気を使うことで、より清潔感のある空間にできるでしょう。もちろん、清掃が行き届いていることも重要なポイントです。
③プライバシーに配慮する
お客様の中には、相談内容をほかの人に聞かれたくない、ほかのお客様と接触したくないと考えている方もいます。ですから、プライバシーに配慮した空間にすることも大切です。例えば、防音対策を施した診察室にすることで、お客様との会話が外に聞こえないようにできます。ほかにも、待合室でほかのお客様と目線が合わないように配慮するのもいいでしょう。ほかのお客様と会わないように、完全個室の待合室にするのもひとつの方法です。
④導線を意識する
導線を意識した空間にするのも、重要なポイントです。導線を意識することで、スタッフが効率的に業務を行えるようになります。例を挙げると、お客様が診察室に出入りする通路とは別に、スタッフが出入りできるバックヤードを設置するとスタッフがスムーズに移動できます。バックヤードを設置すると、スタッフの出入りだけではなく美容機器の移動もスムーズになるので便利です。
⑤制約の少ない物件を選ぶ
物件を選ぶときは立地だけではなく、工事に関する制約が少ない物件を選ぶのもポイントのひとつです。テナントには、ビルの構造や独自のルールなどがあり、使用する材料が限られてしまう場合があります。例えば、使用するつもりだった材料がビルの内装制限に引っ掛かり、違う材料を使用しなければいけないケースが考えられます。このような状況になった場合、指定されている材料を使用しなければいけませんが、事前に把握していれば違う物件を選ぶなどの対策をとれます。全てを把握するのは難しい所ですが、業者やオーナーとの打ち合わせなどで、事前に回避できるポイントです。
美容クリニックの内装業者選びの3つのポイント
美容クリニックの内装業者を選ぶポイントは、次の3つです。
- 得意分野・施工実績
- 要望をくみ取り形にする力
- ワンストップ
これらのポイントを抑えた業者を選択することで、満足度の高い工事になります。
①得意分野・施工実績
内装業者を選択するときは、得意分野や施工実績を確認するのがおすすめです。施工実績や得意としている分野を確認し、美容クリニックの内装工事経験がある業者を選択するのがいいでしょう。同じ内装業者でも、飲食店をメインで施工している業者やオフィスをメインとしている業者など、得意分野が異なります。過去に美容クリニックを担当している業者を選択すると、過去の経験やノウハウをもとに最適な提案をしてくれるため、理想としている美容クリニックに近づけられるでしょう。またこのような業者は、過去の経験からコスト内に収めるための工法や作業の効率化など、最適なプランを提案してくれるのも魅力的です。
②要望をくみ取り形にする力
形のないものを作り上げていくため、要望をくみ取り形にする力も重要です。依頼した内装イメージを実現するためには、ヒアリング力やイメージの共有力、理解力などが必要になるため、打合せ時に業者と話し確認するといいでしょう。例えば、依頼したイメージに合わせた内装にするためには、使用する材料や施工方法に関する知識が必要です。このような知識や施工経験に乏しい業者の場合は、思っているようなイメージの内装にするのに苦労するでしょう。
③ワンストップ
ワンストップの業者を選択すると、コストダウンに繋がります。品質を落とさずに工事費を抑えるためには、中間業者に支払う費用を削減できる、ワンストップで依頼できる業者が最適です。例えば、美容クリニックの内装工事を行うときは、空調や電気、給排水や内装工事などの幅広い工事を行います。それぞれ別に手配すると、工事費がかさむだけではなく、業者間の調整なども行わなければいけません。ワンストップで依頼できる業者に依頼すると、このような調整も任せられるので便利です。
美容クリニック運営に使える3つの補助金・助成金
美容クリニックの運営に使える補助金や助成金は、次の3つです。
- 自治体の創造・企業補助金
- トライアル雇用助成金
- 事業継承・引き継ぎ補助金
とくに、開業時は資金を必要としますので、活用できる制度をフル活用するのがおすすめです。
①自治体の創造・企業補助金
県や市町村が運用している創業・起業向けの補助金の中には、美容クリニックで活用できるものがあります。東京都では創業補助金として、都内で創業を予定している方、もしくは創業5年未満の方に100~300万円の助成を行っています。広告費や器具備品費、人件費や賃貸料などが対象になるため、美容クリニックの運営に掛かる費用の一部をまかなえます。ここでは、東京都の創業補助金を例に挙げましたが、県や市町村によって内容が異なります。開業予定の県や市町村で使える補助金がないか、事前に調べるのがおすすめです。
②トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、ハローワークを通して一定期間試行雇用した場合に助成してもらえます。事前に、トライアル雇用求人をハローワークや地方運輸局などに提出する必要がありますが、最大で月4万円×3ヵ月=12万円の助成を受けられます。対象者が母子家庭の母親、父子家庭の父親だった場合には、最大で月額5万円の支給額になります。妊娠や出産などが理由で離職し、1年間安定した職に就いていない方も対象になるため、女性スタッフが多い美容クリニックに適している助成金ともいえるでしょう。
③事業継承・引き継ぎ補助金
中小企業や個人事業主の方が申請することで、事業の継承や引き継ぎに掛かる経費の一部を補助してくれるものです。美容クリニックを例に挙げると、個人開業医が経営している美容クリニックの継承に掛かる経費の一部を、中小企業庁が補助してくれます。補助率や補助上限額は、次の表の通りです。
補助率 | 補助額 | |
経営革新事業 | 1/2、2/3 | 100~600万円以内 |
専門家活用事業 | 2/3 | 100~600万円以内 |
廃業・再チャレンジ事業 | 2/3 | 50~150万円 |
参考:事業継承・引き継ぎ補助金
後継者不足による廃業も増えているので、事業の継承や引き継ぎでお悩みの方はこの制度を活用するのもひとつの手です。
まとめ
この記事では、美容クリニックの内装工事のポイントや業者の選び方について解説しました。美容クリニックの内装工事を成功させるためには、内装のポイントを押さえ、信頼できる業者に依頼するのが重要です。また、美容クリニックの運営に伴う補助金や助成金も活用することで、掛かる費用の負担を軽減できます。